浄閑寺 パートⅡ
この浄閑寺、私どもにはいささか縁があり浅草橋で大きな人形問屋を営んでいるM社長さんと深い関係がある。この方、この浄閑寺が菩提寺である。私も開業当初、この社長さんにお世話になった。この社長さんどうも吉原で育ったようで、その環境や生い立ちを聞くと苦労されたようである。私の姉が社長室に入った時に大きな観音様がインテリアとして置いてあり、私物にしてはいけないと姉が説得して吉原の遊女さんのご供養の為にとその観音様を浄閑寺に建立させた。開眼法要の時、母と姉・社長さんと浄閑寺の信徒様らによりご住職の読経が始まった。途端に姉の体に異常があり髪を思い切り後ろに引っ張られ弓なりになりパニック状態になり、母が観音経をあげ助けた。周りの人は大変驚いたようである。多分遊女さんの怨念なんだろう。生きても地獄、死んでも地獄といわれる吉原の遊女達。一人でもこの観音様により成仏してほしいと思う。